徳川家康公をご祭神としておまつりする全国東照宮の創祀
人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し、急ぐべからず。
不自由を常と思へば不足なし。
心にのぞみおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。
堪忍は無事長久の基。
怒は敵と思へ。
勝つことばかり知りて負くる事をしらざれば害その身に至る。
己を責めて人をせむるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。
(家康)
先日は静岡県の久能山東照宮にお詣りに行ってきました。久能山東照宮は、今回で2回目。随分前に参拝した時も、久能山山頂から望む海がキレイだったな…という記憶が残っていたので、今回も、夕暮れを狙ってお詣りに行ってみました。
久能山東照宮は、徳川家康公をご祭神としておまつりする全国東照宮の創祀。徳川家康公とは、誰もが知る歴史上の人物です。長く続いた戦国時代に終止符を打ち、260年という永きに亘る長期平和の時代の礎を気づいた人ですね。260年間の平和国家の歴史は、世界でも珍しいと言われています。騒がしい現代だからこそ、江戸時代の文化や政治、産業、歴史から学ぶべきことがあるのではないかと思ったりします。
徳川家康公は、75歳で薨去された後に、平和・開運・学問・厄除けの神として崇められるようになりました。
久能山東照宮は静岡県にあります。駿河湾をのぞむ久能街道沿いにあり、270メートルある久能山の山頂に本殿があります。
久能街道から小道に入ると、お店が立ち並ぶ仲見世通りがあります。数件の土産物店がありますので、買い物やお食事ができます。
このあたりの名産は「いちご」と「桜えび」。
店頭には、瑞々しいいちごがお手頃価格で並べられていました。桜えび料理は、かき揚げや桜えびバーガーなどが食べられます。桜えびのかき揚げを食べましたが、とても美味しかったです。
下記写真は、一の鳥居です。
石段から相模湾の絶景
ここから長い長い石段を上ります。石段の数は、1,159段。『いちいちごくろうさん』と覚えるのだそうです。昔の人はこう言いながら登ったそうです。(笑)ただ、久能山東照宮へのご参拝は久能山の山下から1,159段の表参道を登る方法と、日本平からロープウェイで久能山に渡る方法がありますので、足腰に自信のない方は、ロープウェイを使うと良いと思います。
表参道です。
さすが、1,159段の石段は息切れします。石段自体はボコボコしているので、ちょっとだけ歩きにくいです。ただし、1段1段の段差は高くないです。
ほどよく疲れてきた所で、ようやく赤い門がみえてきました。先に見えるのが楼門です。ここで参拝料を払って、さらに頂上まで登ります。ここまでくれば、頂上はもうすぐ!
ここには、軽食が食べられる売店がありますので、疲れたら、ここで一休み。お土産屋さんもありました。
重要文化財の楼門
楼門は重要文化財に指定されています。見事な佇まいです。
楼門をくぐると唐灯籠などがある唐門が見えてきます。この先に本殿があります。
ここは、五重塔跡。この場所には三代将軍家光公の命により作られた、高さ約30メートルの五重塔があったのだそうです。今は、蘇鉄が植えられています。
御社殿と樹齢650年の大蘇鉄
そして御社殿(国宝)です。御社殿は国宝に指定されています。これは、「権現造(ごんげんづくり)」と呼ばれる複合社殿で、全国に数多く創建された東照宮の原型となっています。
江戸時代を通じて、権現造社殿が全国に普及する契機となった最古の東照宮建築として国宝に指定されたそうです。
とにかく、御社殿の色彩の美しさと、ディテールのデザインの精密さにほれぼれします。細かいところの装飾が見事です。
色んなものを省略しがちな現代社会の中、贅沢な装飾には、『美』というものの本質が見えてくるような気がしました。
御社殿の敷地内には、大きな蘇鉄の木がありました。樹齢650年の大蘇鉄です。
御社殿からさらに裏手奥に約50メートルほど進むと、神廟(しんびょう)(重要文化財)があります。
ここは御祭神徳川家康公の御遺骸を埋葬し奉った所です。
これは家康公のお手形。
夕暮れの相模湾を望む
御社殿参拝の後は、久能山東照宮博物館に立ち寄って帰りました。2時頃から参拝を始めましたが、すっかり陽が傾き、夕暮れの時間が近づいていました。
帰り道の一段を下りながら、駿河湾に落ちていく夕日を眺めて帰りました。この絶景が、とにかく素晴らしい。参拝するなら、この時間帯を狙うのがいいですね。冬の方が日が暮れるのが早いので、冬の参拝の方が良いかもしれません。
神社仏閣ではありますが、ここはオーシャンビューがとても美しいので、デートスポットとしてもお薦めです。もうすぐ梅園で梅も見頃になりますので、その頃を狙って行くのも良いですね。いちご狩りも一緒に楽しめます。
今回いただいたご朱印です。とてもステキなお詣りでした。