先週末は、筑波山神社参拝と筑波山(女体山・男体山)ハイキングに行ってきました。先週末は、ちょうど筑波山近くの梅林で梅まつりを開催しており、やや見頃も過ぎてはいましたが、春の陽気に誘われて、多くの方々が観光に来ていらっしゃいました。
私は、この日は梅林は素通りし、そこから徒歩15分くらいの所にある筑波山神社へ。筑波山神社の参拝と、そこから筑波山ケーブルカーにのって、筑波山の山頂まで向かいました。
筑波山神社で無料ガイドに神社を案内してもらう
緩やかな坂道を車で登っていくと、その先に筑波山神社があります。筑波山神社に向かう山道はとても広く、車の往来も比較的楽です。さらに、筑波山神社付近には民間の駐車場も豊富にありますので、観光シーズンとはいえ、車も停めやすい環境に整備されていました。
筑波山神社の無料駐車場もありますが、その手前の民間の駐車場に停めました。(1回 500円)概ね、1回500円なのでリーズナブル。神社の駐車場は参拝者は無料だそうです。
私が停めた駐車場から筑波山神社までは、数百メートルありました。無料のミニワゴンバスが中継してくれますので、歩くのがおっくうな方は、この無料バスを使うと良いようです。時刻表を見ましたが、割りと本数多かったです。
私は駐車場から歩いて筑波山神社へと向かいました。
筑波山神社付近にはお土産屋さんや御食事処が数件並んでいます。軽く食事も可能です。私は、大鳥居手前にあるおにぎり屋さんで軽いお昼ごはん。好きなおむすびを2つ選べて、お味噌汁と唐揚げがついています。
軽く食事をしたあとで、早速、筑波山神社へと向かいました。青空に真っ赤な大鳥居が鮮やかです。ここから数分の所に筑波山神社があります。
筑波山神社の鳥居です。
筑波山神社の鳥居をくぐると、すぐボランティア無料ガイドの方がいらっしゃいました。30分くらいかけて無料ガイドをしてくださるそうです。いつも観光するときは、できるだけガイドをしてもらうようにしています。今回も境内のガイドをお願いしました。
ガイドの方から『なんで筑波山神社をお知りになりましたか?』と聞かれたので、観光近郊の神社の御朱印帳特集の書籍で知りましたと回答しました。その書籍には、筑波山ハイキングとセットで紹介されていましたので、関東でも有名な神社の一つだと知っていました。
それでは、ここからは、無料ガイドの方に説明をうけた内容を書いていきます。
そもそも、ここ筑波山神社とは『寺院』だった所だそうです。江戸時代の幕府にも厚く信仰されたお寺だったそうで、下記の写真にある赤い橋も徳川家光が寄進したものだそうです。現在は橋の老朽化が懸念されるため、普段は通れないそうですが、年に数回、山から神様が降りてくる日にお祭りが開催され、その時、唯一通れるそうです。
古いこの神橋(しんきょう)は、安土桃山時代の様式の反橋(そりはし)で、非常に珍しい歴史的建築物だそうです。大事に保護されています。
元々はお寺だった筑波山神社。明治維新後、神仏分離によって廃寺とされましたが、数棟のみ破壊を免れて現在に文化財として残っています。つまり、神仏分離により筑波山神社が復興され、寺の跡地を利用して建てられた神社ということです。
そう言われれば、なんとなく神社なのにお寺の雰囲気が感じられます。
さて、筑波山神社と言えば、名物『ガマの油売り』。『ガマの油売り』という言葉は知っていましたが、あまり詳しくは知りませんでした。そして、筑波山神社名物が『ガマの油』だということも知りませんでした。
そもそも、この『ガマの油売り』。ガイドさんの説明を聞くと、ガマの油とは、江戸時代に戦の刀傷の傷薬として用いられていた軟膏だそうです。大坂の陣の時に、徳川方として従軍した住職の光誉上人の陣中薬の効果が評判になったもの。大阪の陣から帰ってきて、この寺でガマの脂汗でできた軟膏というキャッチコピーで販売したことでバカ売れした商品。
のちに、筑波山名物として土産物として販売されるようになりました。ワセリンを中心とした軟膏だそうです。実際、筑波山神社のお土産屋さんで、多く販売されています。
そして、その販売方法のプレゼンテーションを、侍姿でパフォーマンスしてくれる催しが、1日に数回あるそうです。この日もパフォーマンスがあったので見学させてもらいました。実に見事なパフォーマンスで、ある意味貴重。
これは、必ず見てください。必見です。(笑)
山門両脇にある像は、一般的な仁王像ではありませんでした。こういう所もめずらしい。山門はとても風格漂う門でした。雰囲気がありますね。
ここから拝殿へと向かいます。
筑波山神社でお詣りするのは拝殿です。実は、ここには御本殿がありません。御本殿は、この後ろにある女体山と男体山の山頂にある祠に祀られています。つまり、筑波山神社にお詣りするというのは、山頂まで登ってお詣りして初めて、正式な参拝となりますのでご注意を。
この拝殿は、標高270メートルの中腹にあたります。
この後、ボランティアガイドの方と一緒に、境内をぐるりと一周して、より詳しく説明をうけました。
こちらの写真は、巨木 マルバクス(丸葉楠)です。このマルバクスとはクスノキの変種で、葉が丸くなっています。『マルバクス』という名称は、牧野富太郎博士により命名されました。このマルバクスは筑波山神社の他には、福岡県太宰府に一本あるのみ。とてもめずらしい木です。
さらに、境内を右側に進みます。こちらには、三猿があります。三猿とは、日光東照宮でも有名な『見ざる、言わざる、聞かざる」の猿の彫刻です。実は、日光東照宮よりもさきに、筑波山神社の方が先だと言われています。
そしてこちらが、日枝神社と春日神社の拝殿(県指定文化財)です。三代将軍家光公の寄進で建てられました。筑波山神社では、こちらの御朱印もいただけます。
もう一つ、こちらは出世稲荷というお稲荷さん。朱の鳥居がとても美しい稲荷です。
こちらは厳島神社(県指定文化財)です。こちらも三代将軍家光公の寄進です。
女体山・男体山山頂へ
さて、境内を散策した後は、神社の後ろにそびえ立つ筑波山(男体山と女体山)の山頂へと向かいます。
まず最初に、筑波山の説明を簡単に。
筑波山は噴火でできた山ではありません。一億年以上も古い時代に、マグマによって持ち上げられ、山塊となってから風雨による侵食や風化によって堆積物が削りとられできた山。
今でも、まだ微妙な変化を続けている山なんだそうです。
この山から流れ込む水は、濾過された非常に綺麗な水だそうで、命の源とされる水が染み出す山を信仰の一つにしたことは、なんとなく合点がいきますね。山岳信仰と水とは、切っても切り離せない気がします。
さて、筑波山神社の拝殿にある所からすぐの所にケーブルカーがありますので、ケーブルカーにのって山頂まで向かいます。
ケーブルカーは数分間ですのであっという間に山頂駅に到着。ケーブルカーは20分おきくらいに出ていますので、それほど待たずに乗れますので心配はいりません。下山は最終便が夕方5:00ですので、計画的に山頂登山をしたほうが良いと思います。
また、ケーブルカーではなく、歩いてここまで登山も可能です。片道90分くらいで登れるようですので、体力に自信のある方はハイキングもおすすめです。今回は、登山の準備をしてきていませんのでケーブルカーで登りました。
山頂駅には、軽く食事ができる場所とお手洗いがあります。山頂まで行く前に、水分は補給しておいたほうがいいでしょう。お手洗いもここで行っておいた方がよいです。
まずは、男体山へと向かいます。向かって左からの参道が男体山の参道です。
男体山の山頂へと向かう山道は、かなり急な上り坂となっています。もちろん、サンダルやヒールのある靴では登れません。最低限、すべらない靴で登る方が安全です。ゴツゴツした岩山になりますので、女性は手袋もあると登りやすいと思います。
ケーブルカー『山頂駅』から男体山山頂までは徒歩約15分ですが、女性の脚では、もう少し時間かかります。ずっと上り坂なので、所々、休憩を入れながら登りました。
そして、男体山山頂からの景色です。ここで、標高871メートルです。
筑波山には2つ山頂があって、山の頂上が少し尖っているように見えるので『男体山』とされているそうです。
こちらが男体山山頂の御本殿です。
女体山山頂へ
そして、男体山山頂でお詣りした後は、ゆっくり下山。次は、反対側の女体山山頂へ向かいます。
女体山山頂への道も坂道ですが、男体山へ向かう道よりは緩やかで登りやすい印象がありました。こちらも徒歩約15分程度です。
女体山山頂への参道の途中には、ガマ石がありました。確かに、カエルの口に似ています。石を投げてカエルの口に入るかどうか、運試しができます。私は、全く入りませんでした。
もうすぐ男体山山頂です。急に、険しい細い山道になっていきます。
女体山山頂の御本殿です。ここまでくるとハイキングも達成感がありますね。縁結びの御利益があると言われています。
女体山山頂の標高は877メートル。男体山よりも女体山の方が高いそうです。女体山山頂からの眺めは壮大。高所恐怖症の方は、少し脚がすくむかもしれません。
筑波山は神聖な修行の場
筑波山は、女体山および男体山山頂へと参拝する神聖な修行の場でした。山全体に神々が宿っているという山岳信仰で、登山をしながら、こういった自然の空気と恵みに触れ、心が鍛錬されていく感じがします。
ケーブルカーを使い、2つの山頂まで登るプチ登山だけでも、とても気持ちがいいので、気軽なハイキングにはもってこいです。
御朱印は、筑波山神社の拝殿のものと、男体山山頂本殿・女体山山頂本殿の3つがいただけますので、達成感もありますね。
これから初夏に向かい、気持ちの良い観光シーズンに入っていきます。筑波山登山と筑波山神社の参拝はおすすめですので、ぜひお詣りください。