山梨県勝沼町、山梨市、塩山市、牧丘町、美富村周囲には、多くの神社仏閣があります。このあたりは、甲州東郡七福神として、7つのお寺をめぐることで、七福神めぐりができます。先日、この甲州東郡 七福神の中の3つのお寺をお詣りしてきましたので、ご紹介を含めてブログにまとめたいと思います。
第一番 弁財天 大善寺
まずは、高速(勝沼IC)を降りてすぐの所にあるのが、第一番 大善寺。こちらには、弁財天さまが祀られています。
まず最初に、簡単に甲州東郡 七福神について、簡単にご説明します。
甲州東郡は、『甲州の鎌倉』と呼ばれるほど、文化財や史跡が多く残っているエリアです。武田信玄にまつわる史跡が多く、温泉や桃・葡萄・柿などのフルーツ栽培でも有名です。中でも甲州ぶどうは全国的に有名で、勝沼ワインなどのワイナリーも多く点在します。
そんな歴史あるエリアには、多くのお寺が残っています。なかでも日本古来の風習である『七福神』は、福徳をもたらす縁起物として、庶民の信仰の要になっています。
ここ甲州東郡には、恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋尊の7つの神様を祀るお寺が点在しています。
甲州東郡の七福神めぐりで、開運招福や諸願成就をお願いできるわけです。江戸時代はお正月行事であった七福神詣りですが、今は1年を通じて参拝できるのも嬉しいものです。
ここ大善寺は第一番の弁財天さまをお祀りしていますが、こちらのお寺は本当に由緒あるお寺ですし、とても美しいお寺ですので、本当におすすめです。こちらにお詣りするのは今回で2回目でした。お天気の良い日は、とてもすがすがしく気持ち良いので、ぜひ参拝いただきたいと思います。
まずは車を停めて拝観料を支払います。拝観料は500円です。こちらが受付です。
こちらは宿坊になっていて、予約すれば宿泊することもできるそうです。精進料理なども食べられるそうです。機会があれば宿泊してみたいと思います。こちらの中に弁財天さまが祀られています。
弁財天さまをお詣りすると、静かな庭園で休憩することができます。手入れされた松や池を眺めながら、しばしボンヤリ。手作りワインも飲めます。(1杯 300円)
次に、御本殿へと向かいます。
階段を登ると、古い山門が見えてきます。ちなみに大善寺は『ぶどう寺 大善寺』と言われています。
山門には仁王像がありました。実はこの山門は、非常に有名な山門だそうです。
有名な『甲州勝沼柏尾坂の戦い』で近藤勇は勝沼に布陣し、大善寺に本陣を置こうとしたのだそうです。しかし、大善寺には徳川家縁の寺宝があるという理由から諦めたといういわれがあるそうです。こちらの有名な絵には、中央に近藤勇、右側奥に大善寺の山門が描かれています。
さらに長い階段をご本殿に向かい登っていきます。
こちらは『なんじゃもんじゃの木』と呼ばれる木です。正式名称は『ヒトツバタゴ』。水戸の黄門様が、『この花はなんじゃ?』と聞いた所、『なんじゃとはどんなもんじゃ』と答えたので、それ以来、『なんじゃもんじゃの木』と呼ばれるようになったそうです。
美しい緑のもみじに囲まれた石段を、さらに登ります。こちらは『お清めの水』です。
こちらが御本殿です。
本堂の中には、薬師三尊像が安置されています。そのため『薬師堂』とも呼ばれています。こちらの薬師堂は築730年以上と言われており、関東でも最古の木造建築のお寺だそうです。とても貴重な御本殿です。
ご本尊である薬師三尊像は、本殿中央の厨子(ずし)の中に納められいますので、通常は拝むことは出来ません。5年に一度、御開帳があるそうで、その時だけ拝むことができるそうです。
その厨子の両側には、日光菩薩像、月光菩薩像があり、こちらは拝むことが可能です。薬師三尊像の三像はサクラ材の一木造だということでした。
鎌倉時代の薬師堂と厨子は国宝、薬師如来像・日光菩薩像・月光菩薩像は重要文化財です。
また菩薩像と一緒に、十二神将像もありました。こちらは、県指定文化財です。
こちら、大善寺はぶどう寺と呼ばれています。かつて、ぶどうはお薬として考えられていたそうで、薬師如来像の手にもぶどうの房がのっています。よって、甲州というエリアでは、ぶどうはとても大事な果物です。
大善寺は高い所にあるお寺ですので、眺望も綺麗です。ベンチで座って、景色を眺めていると心が落ち着きます。
また、境内にある山門の中に入ることができます。ここから眺める石段と緑のもみじは格別です。
第六番 恵比寿尊天 圓照寺
次に、第六番の恵比寿尊天が祀られている圓照寺に移動。大善寺から少し離れた所にありますが、車だと、それほど遠くないので行きやすいと思います。圓照寺は、牧丘町道の駅の隣にあります。
恵比寿尊天が祀られている圓照寺は、真言宗智山派に属し、御本尊は千手観音菩薩像です。戦国時代に開山された由緒あるお寺だそうです。
圓照寺は、とても静かなお寺でした。質素でありつつも、趣のあるお寺で、とても静かな時間が流れます。
御本殿です。
こちらに恵比寿尊天さまが祀られています。
社務所は閉まっていたので、玄関先にあるベルをならすと、ご住職がでてこられました。ご住職に御朱印と七福神のご朱印もお願いしました。(よかった)
大空の元、気持ちの良い風が吹いて、心地の良いお寺様です。
第七番 毘沙門天
そして、3番目は毘沙門天です。
毘沙門天が祀られているのは徳和山吉祥寺。圓照寺からは、比較的近いので移動しやすいです。美富村にあります。
吉祥寺は、真言宗智山派に属し、鎌倉時代のもので、信玄公に再興されたお寺です。ここは、特に素晴らしいお寺です!
石段を登ると、青々とした桜の木が見えます。これは、県指定天然記念物の「森羅桜」。甲斐源氏の祖 新羅三郎義光のお手植えの桜とされています。ものすごい佇まいで、圧倒されました。老木のため、一度台風で倒れてしまったそうですが、それを添え木などで復興させたそうです。
今では、桜の名所となっていて、都心から観光バスが何台も連なりやってきて、今年は数百人の観光客がいらっしゃったとか。たしかに、桜の季節だったら、すごいでしょうね。でも、混雑してしまうかもしれません。一度、満開の森羅桜を見てみたい。
派手さはありませんが、素朴で温かみのあるご本殿は、なんとなく癒やされますね。実に厳かな気持ちに包まれます。お庭も丁寧に綺麗に手入れされていて、ご住職の日頃の慎ましやかな暮らしが、とても美しく見えました。
高台を望む場所にありますので、景色も綺麗です。
参拝すると、ご住職のお母様が対応してくださいました。とても凛とされていて、真っ白でキラキラした美しい白髪がステキでした。シャンと背筋のおばあちゃまを見て、こんな風に美しい年の重ね方は理想だなと感じました。吉祥寺においでいただいたら、ぜひ、ご住職のお母様のお話をお聞きすると良いでしょう。心あたたまります。
今回の観光は、甲州東郡の七福神の中の、弁財天・恵比寿尊天・毘沙門天の三箇所を回らせていただきました。どちらも静かですばらしいお寺ばかりで、本当に気に入ってしまいました。残り4箇所ですが、近いうちに、また周りたいと思います。
七福神の御朱印は、早速、額にいれてみました。全部押される日まで飾っておきます。今回いただいた御朱印です。ありがとうございました。