大河ドラマ『功名が辻』の山内一豊のお城
静岡県にある掛川城は、日本で初めて天守閣を木造にて復元したお城。
現存天守ではないものの、木造で完全復元されていますので、お城の雰囲気が十分感じられ、静岡県を代表する観光スポットです。
掛川茶で有名な静岡県掛川市にある掛川城は、城天守・御殿、竹の丸、二の丸茶室などを周遊することができ、お天気の良い日は気持ちよく散策が楽しめます。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一時、観覧を休止していましたが、マスク着用にて建物の中に入ることができるようになりましたので、先日訪れてみました。
掛川城を訪れるのは、今回で2回目。
前回は、天守閣と御殿しか入らなかったので、今回は4ヶ所すべて周遊することにし、セット券(周遊券)を買ってお城の中をめぐってみました。
こちらが、お城の入り口。比較的、町中にあるお城ですが、お城の周りは青々とした木々に囲まれており風光明媚な景色が広がります。石段を登ってお城の中へと。
掛川城は、もともと、現在の地より500メートル程離れた所に掛川古城として存在していました。しかし、今川氏の勢力拡大に伴い、掛川古城では手狭になったため、1513年頃に現在の地に掛川城として築城されました。
また、桶狭間の闘いで今川義元が織田信長に討たれると、1568年に今川義元の子である氏真が掛川に立て籠もったと言われています。その翌年には、徳川家康が掛川城を攻め込み、のちに開城させました。その後、家康領となった掛川城は、重臣である石川家成が入城し、武田氏侵攻における防御の拠点になったお城と言われています。
その後、豊臣秀吉が徳川家康を関東に移すと、家康の領地内には秀吉配下の大名を配置。掛川城には、山内一豊が入ることになりました。山内一豊は、掛川城の拡張や整備に尽力し、掛川城に天守閣を作ったのも山内一豊です。
山内一豊といえば、数年前の大河ドラマである「功名が辻」の主人公でも有名です。
風光明媚な天守閣からの眺め
入り口の石段を登ると、すぐチケット売り場になります。お城を周るには周遊券がお得です。この日は、城天守・御殿、竹の丸、二の丸茶室の4箇所を周れる周遊券が、大人900円(一人)でした。
オフィシャルサイトの料金表とちょっと違うので、この日が特別だったのかは不明です。必ず、チケットの価格については現地にてご確認ください。一応、現在のチケットの価格を下記に掲載しておきます。
チケット料金 |
施設 | 天守閣・御殿 |
入場料 | ●天守閣・御殿 大人(高校生以上) 410円 小中学生 150円 ●掛川城・二の丸美術館セット券 大人のみ(高校生以上) 510円 ●掛川城・ステンドグラス美術館セット券 大人のみ(高校生以上) 810円 ●掛川城・二の丸美術館・ステンドグラス美術館 3館セット 大人のみ(高校生以上) 910円 |
障がい者手帳・療育手帳 | 障がい者手帳・療育手帳等を所持されている方、およびその介護者1名は無料 |
開館時間 | 年間を通して9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 年中無休 |
こちらが、広場から見る掛川城。緑に囲まれ、とても美しいお城です。
券売所の前には『掛川城公園 花広場』がありました。季節の美しいお花が咲き誇る花壇になっています。
ここから数段の石段を登って天守閣まで。少し急な階段になっていますので、足腰が弱い方には、登るのが少しきついかも知れません。
この石段を登りながら眺める掛川城の天守閣と、掛川市内の景色が、とても美しかったです。お天気の良い日は、とくに清々しい。
こちらが天守閣の入り口です。
平成6年に、140年ぶりに木造で復元された天守閣
掛川城は、その美しい姿が有名で『東海の名城』と謳われていたそうです。しかし、1854年の安政の東海大地震により大きく損壊し、そのまま明治維新後の廃城で無くなりました。
よって、現在の掛川城の天守閣は、平成6年に再建されたものです。140年ぶりに木造で復元され、今は、掛川のシンボルとも言える美しい名城の姿で佇んでいます。
天守閣の前には、『霧吹き井戸』があります。今川氏真が立て籠もる掛川城を徳川家康が攻め込んで来た時に、井戸から立ち込めた霧が城を包み込み、徳川家康の軍の攻撃から守ったという伝説の井戸です。
天守閣の入り口でチケットを見せて、天守閣の中へと。
天守閣の中に入ると、その木の柔らかさが感じられるような空間になっています。掛川城の天守閣は外観は三層で、内部は四階からなっています。外側からお城を眺めた時の印象よりも、少し狭く感じますが、その狭さにも風合いを感じます。外側から見ると、大きく見せるような作りになっているのだそうです。
昔のお城の形を復元していますので、急な階段が特徴的です。1階部分には、復元にまつわる、様々な資料が展示されています。
こちらが最上階。とても狭いのですが四方の窓が空いているので、風が吹き抜けて、とても気持ちが良い空間です。この日は、とても暑かったので、ここでしばし休憩を。しばらく休憩すると、一気に汗がひきました。
明るくて涼やかな癒やし空間です。
こちらが最上階からの眺めです。気持ちがいいですよ。
二の丸茶屋でお抹茶と和菓子
天守閣を観覧した後は、その眼下に見える二の丸茶屋へと移動します。天守閣をぐるりと回って二の丸茶屋へ。
緑が綺麗で、お城をみながらのんびりするのもいいですね。階段を降りた場所から眺める天守閣の美しさといったら。とても画になります。
こちらが二の丸茶屋の入り口です。入り口から入ると、見事な日本庭園が。
ここでは、お抹茶かお煎茶、そして季節の和菓子がいただけます。周遊券には、その料金も含まれていますので無料でいただくことができます。お茶の先生が入れてくださったお抹茶がとても美味しかったです。
お抹茶をいただいた広間から、青々とした芝生が広がる日本庭園を眺めることができます。
周遊券のセット券だけでなく、お茶室だけの入館も可能です。
入館料 |
区分 | 個人 | 団体(1名につき) |
---|---|---|
一般 | 510円 | 410円 |
中学生以下 | 250円 | 200円 |
江戸後期の貴重な現存城郭御殿
二の丸茶屋にてお抹茶と和菓子で休憩した後は、隣接する『掛川城御殿』へと移動。
こちらが掛川城御殿入り口です。
掛川城御殿は、江戸後期に建てられた現存御殿です。
現在、日本に現存する木造の御殿としては、京都の二条城など、四ヶ所しかありません。その内の一つである貴重な建物です。(国の重要文化財に指定)
御殿の役割は、藩の公的式典をする場としての役割、藩主の公邸としての役割、藩内の政務を司る役所としての役割など、主に3つの役割を担う建物でした。書院造という建築様式で、畳敷きの複数の部屋がふすまで区切られています。
現在の掛川城御殿も、1854年の安政の東海大地震で倒壊してしまったため、1855年〜1861年にかけて再建されたものです。1868年まで使われていました。
中に入るとわかるのですが、とても保存状態がよく、キレイな御殿が観覧できます。
御殿の縁側からは、掛川城の天守閣が眺められます。しばし、縁側でボーッとしていたくなる気持ちよさ。
掛川城御殿は7棟からなる書院造だそうです。用途別に部屋が分かれていて約20部屋あります。
こちらは婚礼用の打掛です。
掛川城御殿の御書院上の間は、城主との対面に使われる主室。ひときわ美しい佇まいになっています。
掛川城の郭 竹の丸
掛川城御殿を観覧した後は、少し先の『竹の丸』へ。
1590年、豊臣秀吉に城主に任命された山内一豊は、それまでの掛川城に郭を付け加えて城を拡張。この時に、竹の丸が作られました。この竹の丸は、天守閣や本丸など城の中心部に通じる道筋にあたるため、防衛上重要 な場所であったことから家老など重臣の屋敷地に割り当てられたそうです。
現在、竹の丸として旧松本家住宅が観覧できます。
旧松本家は、家業として葛布問屋を営んでいました。1936年に、松本家が東京に転居することになり、その時に、竹の丸の邸宅は掛川町に寄贈されたそうです。平成19年には修復工事が行われ、明治時代末期〜昭和時代初期の松本家の姿に復元されています。
建物の中にはいり、昭和モダンな屋内の雰囲気と屋敷を囲む美しい庭園などを眺める事ができます。
竹の丸の旧松本家は、母屋と二階建ての離れで構成されています。離れの1階は3室あり、2階には貴賓室や控えの間などがあります。2階の貴賓室からは、見事な庭園と、掛川城の天守閣が眺めることができます。
今回はセット券で中に入りましたが、竹の丸だけに入る場合の入館料は下記となります。
入館料 |
区分 | 個人 | 団体 |
---|---|---|
一般 | 100円 | 80円 |
小・中学生 | 50円 | 40円 |
小学生未満 | 無料 | 無料 |
掛川城の見どころは、なんといっても、その美しい天守閣を中心とした風光明媚な景色です。美しい景色の中に、掛川城御殿や二の丸茶屋、竹の丸など、建物の中に入って観覧できるスポットがいくつかありますので、これらを隈なくチェックする事をおすすめします。
普通にお城を眺めながらのんびり休憩するのも気持ちがいいので、ゆったりとした週末を過ごすためのスポットとしてもおすすめですね。人がゴチャゴチャしていない今の時期に観光にでかけるのもいいですね。
新型コロナウイルス感染症対策で、建物の中に入る時はマスクが必要なのと、万が一クラスターが発生した場合の連絡先を申請するボックスなどが用意されていますので、そこだけご注意ください。
最後に番外編ですが、帰りの東名高速『牧之原SA』で食べたカツオのたたき ひつまぶしがとても美味しかったです。これは、とてもおすすめ。ただ、早めに品切れになるので、お早めにご賞味ください。
概要 |
〒436-0079 静岡県掛川市掛川1138番地の24 TEL:0537-22-1146