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【旅コラム】ある日の秩父鉄道

お仕事で埼玉県深谷市にでかけた。

行きは、熊谷駅から目的地までタクシーを使ったが、帰りはあえてタクシーで秩父鉄道の「大麻生駅」まで乗せてもらい、はじめて秩父鉄道に乗ってみる。

地元の人から「ちちてつ」と呼ばれ、お休みの日にはSLが走る秩父鉄道。
近くには、長瀞や秩父の山里ハイキングなど、レジャーが楽しめるお土地柄。

そのローカルな駅で、ゆったりとした時間を楽しんでみる。

秩父鉄道「大麻生駅」。

レトロな佇まいに、おもわず頬がゆるむ。
無人駅かとおもいきや、駅員さんがいた。

平日の昼間は、1時間に2本程度、停車してくれるよう。

運良く、あと20分くらいで電車がくるようだ。(笑)

張り紙だらけの改札。

ピッピッっていうPASMOをタッチできるような自動改札はもちろんない。
自動券売機があるから、240円の熊谷行きの切符を買う。

奥では、駅員さんが掃除をしている様子。
もくもくと掃除をしているため、もちろん私には気づかない。

すごく目立ったのは、待合室の木製ベンチにおかれたカラフルな座布団。

壁に『今村様より頂戴したものです』と張り紙がしてある。

絶妙な癒やされ方をする座布団。(笑)

色使いもカラフルで、駅舎にアンマッチしている姿が愛らしい。

改札を抜けて、線路を渡り中央にあるホームに向かう。

駅員さん(らしい)人はいるが、私の切符はノーチェック。

特に、切符を切る様子もなく、掃除を続ける駅員さんの横を通りすぎる。

ここから観る風景は、まるで邦画でよくある上京シーンのホームだ。

都会に向かう娘を見送る倍賞美津子さんとかが透けて見える。(笑)

線路をはさみ、中央に駅のホームとベンチたち。

レトロで癒やされてしまう。

誰もいない駅のベンチは、なぜか優しい。

静かで、どこまでも静かで、私も空気のように、そこに溶け込む。

駅についた。切符を買う。ホームに渡る。電車をまつ。
なんか、とてもシンプルで、誰にも干渉されず、誰にも気を遣わず、ゆっくりとした時間を楽しめた。
透き通った秋空が広がるある日。

ソラも広くて、線路も静か。

ある日の秩父鉄道。
ソラも広くて、線路も静か。

ある日の秩父鉄道。

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